爪が伸びる頃
これは遺書です。
肩の方から、甘い香りがした。
胸の方から、香ばしい香りがした。
どこへもいけない、が借りたことばじゃいやだよ。
脳腫瘍の香りは、どこへ行くんだろう。
ピンクムーンも、オレンジ色だった。
休んだ日々は、仮病なんかじゃなかったよね。
緑色のソファから見える校庭はいつも太陽を反射して、
砂埃を舞わせるみんなの声が聞こえる。
消毒液の場所とかは知らない。
全部が毎秒のいま、爪が伸びる頃、
いる。
これは遺書です。
どうもありがとう。
チャーミングな私の事実無根の世界から、やっと逸脱。
戦争がしたい。
みんなを殺したい。
教育は害。
ドーナツを何個かたべたいな。
りんごジュースがのみたいな。
ポテトが食べたい、やさい抜きの!
だって爪に付くじゃんね